

設備診断において、振動を正しく評価するためには「変位(Displacement)」「速度(Velocity)」「加速度(Acceleration)」という3つの指標を理解し、対象となる異常(周波数帯域)に合わせて使い分けることが鉄則です。
これらの指標は、対象となる振動の周波数によって「感度」が大きく異なります。結論から言うと、周波数が高くなるほど「単位時間あたりの変化」が急激になるため、速度や加速度の数値(感度)は大きく跳ね上がります。
| 指標 | 得意な周波数帯域 | 主な診断対象(異常の種類) | 感度の特性 |
|---|---|---|---|
| 変位 | 低域(〜10Hz) | 建屋の揺れ、大型回転機の軸の振れ、配管の振動など | 周波数によらず一定 |
| 速度 | 中域(10Hz〜1kHz) | アンバランス、ミスアライメント(軸ズレ)、ガタなど | 周波数に比例する |
| 加速度 | 高域(1kHz〜) | ベアリング(軸受)の傷、ギアの欠け、金属同士の衝突 | 周波数の二乗に比例する |
なぜ周波数が高くなると速度や加速度の感度が上がるのか。「同じ振幅(変位)」で物体を揺らしている場合を想像してみてください。
振動の指標の関係性は、数学的には「微分」で明確に説明できます。振動を単純なサイン波(正弦波)として考えた場合、それぞれの関係は以下のようになります。
※ $t$ は時間、$f$ は周波数、$A$ は振幅(変位)とします。
■ 変位( $x$ )
基準となる振幅です。
$$x = A \sin(2\pi f t)$$
■ 速度( $v$ )
変位を時間 $t$ で1回微分します。
$$v = \frac{dx}{dt} = A(2\pi f) \cos(2\pi f t)$$
→ 式の先頭に $f$ が1つ出てくるため、速度は周波数に比例します。
■ 加速度( $a$ )
速度をさらに1回微分(変位を2回微分)します。
$$a = \frac{dv}{dt} = -A(2\pi f)^2 \sin(2\pi f t)$$
→ 式の先頭に $f^2$ が出てくるため、加速度は周波数の二乗に比例します。
実際の設備診断の現場では、周波数と感度の関係を理解した上でセンサーを選定する必要があります。ワイヤレス振動センサー「コナンエアー」は、実用上最も重要な「中域」と「高域」の両方をカバーする独自の設計を採用しています。
ここで、現場の皆様へ誠実に事実をお伝えします。アンダーサンプリング技術では高周波を低周波帯域に映し出しているため、「精密な高周波数振動の絶対値計測はできない」という明確な限界(デメリット)が存在します。
しかし、対象を汎用回転機械の軸受に絞った場合、正常時には高周波振動は発生しません。つまり、「絶対値が厳密にいくらか」よりも、「普段発生しないはずの高周波が発生した」という変化の事実を確実に捉えることが、異常発生時の傾向管理(相対比較)において最も重要になります。
絶対値計測ができないデメリットを受け入れてでも、データ量を劇的に軽量化する最大の理由は、昨今主流となっている「エッジ処理のブラックボックス化」を防ぐためです。
エッジ処理の多くは、良否判定、要約データ(平均・ピーク)、FFT結果、AIスコアなどの「結果」だけを送信し、最も重要な「生波形」を破棄してしまいます。これでは、後からエンジニアが「なぜその異常判定になったのか」を検証することができません。
コナンエアーは、アンダーサンプリングによって軽量化された「生データ(Raw Data)そのもの」をクラウドやローカル環境へ保存し続けます。これにより、現場の技術者が自らの目で波形を確認し、事実に基づいた正しい予知保全を実現できる環境を提供します。
A:一般的な回転機のアンバランスやガタの監視には「速度」を、ベアリングの初期異常(傷や欠け)をいち早く捉えたい場合には「加速度」を確認するのが鉄則です。コナンエアーはこれらを同時に計測し、生データとして保存します。
A:はい、大きく変わります。振動は「発生源からどの方向に伝わっているか」が重要です。本カテゴリ内の「正しい設置方向」の記事で詳しく解説していますが、基本は垂直・水平・軸方向の3軸を意識して設置します。
A: AIやエッジ処理による「異常スコア」だけでは、後からエンジニアが原因を特定(なぜ異常と判定されたのかの検証)できないためです。生データがあれば、FFT解析などを後追いで行い、確信を持ってメンテナンス判断を下せます。
| 会社名 | 中山水熱工業株式会社 NSXe Co.Ltd |
|---|---|
| 所在地 | 〒513-0835 三重県鈴鹿市平野町7686-10 |
| TEL | 059-375-0330 |
| FAX | 059-379-4704 |
| 営業時間 | 8:00~17:00 |
| 定休日 | 事務所:土曜午後・日曜・祝日 工場:火曜日・水曜日 |
| URL | https://conanair.com/japan/ |
| 会社名 | 中山水熱工業 株式会社 NSXe Co.Ltd |
|---|---|
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