

予知保全においてエンジニアが検証可能な「生データ(Raw Data)」を残すことの重要性は、前回の記事で解説した通りです。しかし、そこには「生波形データはボリュームが大きい」という物理的な壁が立ちはだかります。
通常、ベアリング(軸受)の精密診断などに必要な高い周波数帯域の生波形をそのまま取得・送信しようとすると、データボリュームが膨大になります。これは、通信帯域や省電力性が厳しく求められるワイヤレスセンサーにおいて致命的な課題となります。
この課題を解決し、完全ワイヤレスでありながら生データをクラウドやローカル環境へ保存し続けるために、コナンエアーは特許第6951474号「アンダーサンプリング技術」を開発・採用しました。

アンダーサンプリング技術とは、通常のデータ取得のセオリー(ナイキスト・シャノンのサンプリング定理)に従わず、あえて低いサンプリングレートでデータを取得する手法です。
これにより、データ量を極限まで少なく軽量化しつつ、1kHz以上の高い周波数帯域で発生する「ベアリングの初期異常(傷や欠けなど)」の微小な衝撃を逃さず検知できるという、実用上の極めて大きなメリットを生み出します。
しかし、中山水熱工業はこの技術が「万能ではない」ことも現場のエンジニアへ誠実にお伝えします。この技術には、原理上どうしても避けられない明確なデメリットが存在するからです。
アンダーサンプリングでは、高い周波数帯域の振動を「跳ね返り(エイリアシング)」として、実際とは違う低い周波数帯域の振動として捉えています。
適用できないケース(精密計測は不可)
正しく高い周波数帯域の振動を捉えたい場合(例:異常が正確に何Hzで発生しているのかを厳密に特定したい、高周波数振動の精密な絶対値計測を行いたい場合)には、アンダーサンプリング技術は適用できないことを認識しておく必要があります。
もし、対象の機械に対する厳密な周波数分析や、研究開発レベルでの絶対値計測が必要な場合は、高価な有線の専用計測器を使用する必要があります。
精密な高周波数の絶対値計測ができないというデメリットを明確に認識した上で、なぜコナンエアーはこの手法を汎用回転機械の監視に採用しているのでしょうか。
それは、対象を一般的なモーターやポンプなどの「軸受(ベアリング)」に絞った場合、正常な時には高い周波数帯域の振動はそもそも発生しないからです。
現場の予知保全において最も重要なのは、「高周波の絶対値が厳密にいくらか」を知ることではなく、「普段は発生しないはずの高い周波数帯域の振動が、発生し始めた」という事実(異常の兆候)をいち早く、かつ確実に捉えることです。
コナンエアーは、この「異常発生の傾向管理」に完全に特化することで、アンダーサンプリングのデメリットを運用上クリアにし、エンジニアの最大の武器である「軽量化された生波形データ」を低コストで保存し続けることを可能にしています。
| 会社名 | 中山水熱工業株式会社 NSXe Co.Ltd |
|---|---|
| 所在地 | 〒513-0835 三重県鈴鹿市平野町7686-10 |
| TEL | 059-375-0330 |
| FAX | 059-379-4704 |
| 営業時間 | 8:00~17:00 |
| 定休日 | 事務所:土曜午後・日曜・祝日 工場:火曜日・水曜日 |
| URL | https://conanair.com/japan/ |
| 会社名 | 中山水熱工業 株式会社 NSXe Co.Ltd |
|---|---|
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